
昔、ソニーのテレビBraviaを持っていた。KDL-20S2000という機種だ。ソニーといえば有名なブランドで技術力も優れていると思われがちだがこの当時のBraviaには致命的な欠点がある。5年くらいが経過すると突然デジタルチューナーが壊れてしまうことがあるのだ。
この状態になると「しばらくお待ちください」という表示が出たままになる。SONYは電源を抜いて2分待つというリセット方法を勧めているが状態は改善しない。
「長期保証に入らないやつが悪い」という指摘もあるのだが保証が切れた頃に壊れることが多いので「ソニータイマー」という名前までついている。だがネットでレビューが流行るようになると実は多くの人が同じ悩みを抱えていることが明らかになった。
価格.comには同様の悩みを持った人たちが大勢書き込みをしている。
ハンダ付けに難点があるようで「自分でハンダ付けをやり直した」という人がいる。電気的に壊れているのである。ハンダの材料が問題らしく「環境に優しい鉛フリーハンダ」を使っているせいでハンダ付けが不安定になっているというのがネットの人たちの見立てのようだ。
テレビは精密機械だからさぞかし複雑な壊れ方をしているのだろうと思うのだが実際にはそうではない。むしろハンダ付けという初歩的な技術力の低下によるものである可能性が高いようである。よく言われる「ソニータイマー」の正体はハンダが剥離するまでの期間だったのである。
もちろん修理は可能なのだが、出張料・技術料・部品代などがかかる。新しいテレビを買うか、外付けのレコーダーかチューナーなどを買った方がよさそうだ。実際に修理に来てもらった人によるとヒートガンというドライヤのお化けのような機械で基盤を暖めるのだという。初期型のちょっと高いテレビを買ったユーザーはこのためだけに日当を払うことになる。これではまるで罰ゲームだ。
これはよくある症状らしく、ソニーは専用のページを出している。反省する様子は見られない。ご丁寧に「テレビの買い替えを検討してはいかがですか?」と書いてある。新しいソニーのテレビは画面も大きくなりYouTubeなども楽しめるのだと言う。結構なことだが新しいテレビが壊れないという保障はない。テレビは捨てるのにもお金がかかるので数年で買い換える余裕はない。
このソニーのテレビはモニターとしてはそこそこ優秀だ。色の再現もよいし装備されているスピーカーも悪いものではない。パソコンのモニターとして使うこともできるのでモニターとしての余生を過ごしていた。
だがこれもしばらくすると使えなくなった。最後には液晶モニターと本体を繋ぐケーブルがモロモロと崩れ落ちてしまった。かなり安い材料を使っているか熱放出に問題があるのだろう。
地デジチューナーは構造が簡単なので熱に強い。最初から外付けにしておいた方が壊れる可能性は少ないだろう。だから「いっそのことテレビから撤退してモニターだけ売れば良いのに」と思ってしまう。
結局、日本の家電メーカーが作るテレビはどれも壊れやすいものになった。結局、今テレビは3つ残っている。1つはSHARPのハードディスクレコーダーだが冬になると映像からブロックノイズが消えるまで15分くらいかかる。これはHDMIケーブルを使ってパソコンモニターにつないでいる。もう一つはiMacに外付けチューナをつないだもの。最後はハードオフで買ったCOBYのテレビだ。購入価格は1,000円だったので使えなくなったら捨てればいいやと思っている。
テレビだけでなかったSONYの技術力低下

なおソニー製品にはこの他にも問題がある製品が多かった。
中古で買ったコンデジは電池残量が少なくなると画面が震えだす。手ぶれ補正装置がついているのだがこれが暴走するようである。DSC-T系統に見られる症状で「分解したらおさまった」などという人もいる。こちらも価格.comに情報が出ているのだが買う前にこれに気がつく人は多くないかもしれない。結局、これ以降SONYのコンデジを買うことはなかった。

またホームシアターシステムは独自のプラグを使っている。抜き差しをしているうちにこの接点がゆるくなってしまうのである。内部でクリップ状になっている部分が曲がってしまう。
これは多分プラグを買い換えれば解決できるのだろうが、すでに供給がなくなっており対応のしようがない。
もっとも全てがダメというわけではない。初期型のDSC-P5というデジカメは中古ショップで324円で売られていたにもかかわらず今でもそこそこ電池がもつし写真も撮ることができる。ものによって品質がバラバラというのが本当の問題点なのかもしれない。この記事を最初に書いたのは2015年だが2022年のいまでは家電からは完全に撤退し音響機器だけを作るようになった。英断というか必然だったのだと思う。