2016年に10年前のMacbook(Early 2008)を手に入れた。この記事はまだ人気があり2020年になっても読まれている。おそらくヤフオクなどでこの世代のMacbookが出回っているからだろう。教育用に作られたこともあって電池を除いては丈夫に作られているからだと思う。
オークションでは人気のようで10,000円程度の値段がついているものもあるがうまく行けば3,000円くらいで入手できる。価格はこの数年変わっていない。マックは体験してみたいが10万円も出したくないという人にはよい選択肢かもしれないが「古いマシーンを買ってきても何もできないのでは」と思う人もいるかもしれない。これは実にもったいない。

Core 2 Duoの入ったマシーンであればどれでも10.7までのOSが動く。10.7はAppleのサイトから約2000円で入手できるしヤフオクでは検証用という名目でプリインストールされているものも少なくない。
12年落ちのMacbookとOS10.7でできることとできないこと
- Webの閲覧やメールの閲覧には十分の速さがあるのだが、最新ブラウザーが手に入らない。一応、Chromeのインストールはできるが「アップデートが手に入らない」と言われる。
- OS10.7は限定的ではあるがクラウドには対応している。ただiCloud Keychainなど使えない機能が多い。
- iOSとの間でのAirdropはできない。OSは対応しているが、Airmacが対応していないのだそうだ。
- iPhotoはAppストアからは入手できないのだが、ヤフオクなどでiLife11が出回っている。実際に手に入れてみたがヤフオク価格は1,000円程度だった。これを使うと、iPhoneなどと写真の共有ができるようになる。iMovieを使えば16:9サイズのビデオの編集ができる。
- キャノン製の一眼レフデジタルカメラ(中古でもよい)を持っていればフォトレタッチと管理ソフトをダウンロードして使える。意外と使える。
12年落ちのMacBookとOS10.5でできること
- OS10.5はPowerPC時代のソフトが活用できる。おそらくこのMacbookの最大のウリは旧世代のアプリが使えることだろう。
- OS10.7と同じように10.5でもキャノン製の一眼レフデジタルカメラ(中古でもよい)を持っていればフォトレタッチと管理ソフトをダウンロードして使える。EOS Kiss DigitalとEOS Kiss Digital NはEOS Utilityが使えないのでリモート撮影にはこの組み合わせが便利なのである。


ただし、ライブ撮影(テザー撮影)はできない。

- 外付けチューナーを使って地デジ放送も見ることができる。インタラクティブ性に一部問題があるが、データ放送も閲覧可能である。地デジチューナーはハードオフで500円で手に入れた。

- またmidi楽器をつないで音源として利用することもできる。別途Garagebandが必要。

意外なのだが、OS10.5でしかできないということもある。
- Classicが動いているMacとのファイル共有をEl Capitanで試したができなかった。AppleScript対応が全くなくなってしまったからではないかと思う。これは10.5でしかできない。
- 32bit限定で動くアプリはOS10.5で動かした方がスムーズに動く。
- PowerPCで使えていたソフトはOS10.5(以下)でないと動かない。
今回手に入れたMacbookは本体価格は4,000円だった。アダプタが付随しておらず2,000円で追加購入しメモリ4G(ただし2Gまでしか認識しない)を2,000円で追加購入した。合計8,000円。ちょっと使ってみた限りではデフォルトの512MBでは足りないが2GBもいらない。今回一番驚いたのはOS10.5が512MBでも過不足なく動くということだった。
拡張は比較的簡単
なお、メモリやハードディスクの入れ替えはマックにしては簡単な方だ。旧型Mac Miniのようにコテで裏蓋をこじ開けるなどという荒っぽいことはしなくてもすむ。iMacはメモリの入れ替えは簡単だがハードディスクの交換には手間がかかる。
リチウムイオン電池も手に入れようと思ったがこれは諦めた。Amazonでみたところ2,000円程度からあるが、中古なのでどれくらい使えるかわからない。古いMacBookのOSは2011年リリースの10.7まで。MacOSは10.6からAppストアが使え、10.7からiCloudと連携できる。
なんとかしてiPhotoを手に入れる
iPhotoを使ってiCloudと連携するのはすこしコツがいるようだ。まず、OSは10.7が必要。
次に何かの手段でiLife11のパッケージを手に入れる必要がある。オークションの方が安いのだが、Amazonでも購入できる。Amazonの方が確実かもしれない。
プログラムをインストールすると、アップデートを探しにゆきiPhoto 9.1までは上がった。しかし、iCloudと連携をするためにはiPhoto 9.2以上が必要らしい。アップデートとして9.4.3が見つかったがダウンロードできなかった。ファイルの信頼性に問題が出るというようなプロンプトが出てインストールできないのだ。
そこで、Google検索でインストラーを探して、手動インストールした。なぜかアップルのダウンロードセクションで検索すると9系のアップデータが入手できない。
iPhoto 9.2以降をセットアップすると、コントロールパネルのiCloudの項目でフォトストリームが使えるようになる。あとはUSBケーブルなしでiPhoneから写真がダウンロードできる。
その他のクラウド連携(OS10.7)

PowerPCではクラウド機能が使えなかったが、インテルベースだとicloudとgoogleとの連携機能を使える。
このため、パソコンの移行はスムーズに進んだ。ブックマーク、メール、連絡帳などをパソコンからパソコンにコピーする必要がない。重要なファイルはGoogle Driveに入れた。
Googleのアドレスブックとの連携は、アドレスブックの[環境設定]-[アカウント]-[CardDav]で可能だ。アドレスをGoogle.comにして、GoogleのアカウントIDとパスワードを入れれば連携してくれる。
MacintoshのOSは一度覚えてしまえばスムーズに移行できる
OS10.5とOS10.7ではほとんど違いがなく移行に手間はない。OS10.0のリリースは2001年だそうだが、そのときの基本設計が未だに生きている。WindowsのUIはメジャーアップデートのたびにころころと変わるのでその都度覚え直さなければならないがMacintoshユーザーにはその悩みはない。OS10.7でOSになれたらEl Capitanにもスムーズに対応できる。
2つのOSを共存させる
中には一台のパソコンで古い環境を保持したいと思う人がいるかもしれない。やり方は極めて簡単だ。
- まず、OSの入ったディスクを入れて、ディスクからパソコンを立ち上げる。
- ディスクユーティリティを使ってパーテーションを2つに分ける。
- それぞれのパーテーションに10.5と10.7のように2つのOSを入れる。予めタイムマシーンで取っておいたバックアップからファイルを復元することもできる。
- 起動ディスクを立ち上げて、どちらのOSを利用するか決める。
このダブルブートのやり方はWindows(できなくはないらしい)と比べるととても簡単だ。内蔵ハードディスクをパーテーション化するのが嫌なら、外付けのUSBハードディスクにOSをインストールしてもよい。2時間ほどでOSのインストールが終わり、使えるようになる。OS10.5にはRosettaという仕組みがあり、PowerPC時代のソフトがそのまま使える。
バックアップのために内蔵ディスクの1.5倍程度の外付けディスクを持っているとよい。PowerPCは起動ディスクにするならFirewire接続が必要だが、Intel系はUSBからでも起動できる。外付けのドライブを買ってもよいし、2.5inchのハードディスクドライブが1500円程度で手に入るので、それに1000円程度のケースをつけるのが一番簡単ではないかと思う。
古いMacintoshの弱点
このようにいいことばかりのように見えるMacintoshだが、もちろん弱点もある。
既に、FirefoxもChromeもOS10.7をサポートしていない。ソフトウエアの入れ替わりがきわめて激しいので、一度手に入れたインストーラは大事に取っておいた方がよさそうだ。
このMacbookは電源周りは弱いそうである。純正品のACアダプタがよく壊れるようで、安い代替品が出ている。Amazoのレビューを読むと「普通に使っていたのに、ある日突然断線した」というようなことが書かれている。マグセーフはもともと教育市場向けに「壊れにくい」というコンセプトで作られたそうなのだが、しゃれたアダプタにしてしまったために機能的に壊れやすいらしいのだ。
電池の持ちが悪いことでも知られる。薄い筐体なので熱を持ちやすく電池の消耗が激しい。
このため、寝転んでYoutubeをみるといったカジュアルな使い方はできないと思った方がいい。意外なことに、3000円で購入したS10eというXPマシンが活躍している。おもちゃのような筐体なのだが熱を持ちにくい位置に電池が付けられていて5時間程度はコンセントなしで使える。