無線がついていないPowerMac G4をwi-fiネットワークにつなぐには

古いMacを複数台使っている。過去の資産が使えるし、まだまだ使えるのに捨てるのももったいない。しかしながら古いMacの中にはwi-fiがついていないものがあり若干不便さが残る。そこで、これらの機器をどうやったら無線LANネットワークに接続させることができるかを考えてみた。

結論からいうと無線機器はメーカーを揃えた方が何かと便利であるが、理由はいくつかある。

最初のやり方:Macに中継させる

できるだけ機械を追加しないで使いたいと考えると、Macに中継させるのが一番簡単だ、無線LAN付きのMacをルーター代わりに使うのである。MacOSでは「インターネットの共有」と呼ばれている標準機能を使う。このやり方の最大の欠点はセグメントの分断だ。

MacOSに備え付けのインターネット共有にはブリッジ機能がないうえに、ネットワークを使う時にはわざわざルーターになるパソコンの電源を入れる必要がある。例えばこの陣形ではiMacからPowerMac G4とMac Mini G4が見えない。セグメントが分かれてしまうからである。

最初の状態。Macの一つが中継器になっている。

こうなると無線LANアダプターが欲しくなる。

二番目のやり方:USBタイプの無線LANアダプター

次に試したのはUSBにつけるタイプの無線LANアダプターだ。価格はAmazonで1000円程度と安かったのだがあまり速度が出ない。さらに古いMacにはUSBポートが2つしかついていないものが多い。つまり貴重なUSBポートの一つがこれで埋まってしまうのだ。このソリューションもあまりお勧めとは言えなかった。

次の状態。MacMini G4にアダプタをつけた。
正直あまり使い勝手は良くない。

三番目のやり方:やはりAppleで統一したい

光ケーブル端子ONU/無線ルーターの負担を減らそうと古いNEC製のwi-fi機器を引っ張り出してきた。これをAppleのAirMac Expressにつないだのだ。二日か三日ごとにリンクダウンが起こるようになった。処理が追いつかないとネットワークのスピードをルーターが勝手に落としてしまう仕組みである。こうなるとルータを度々再起動する必要が出てくるようになった。

さらにAirMac Expressが行方不明になる。このNECの機械はADSL時代から使っていたのだが問題が出たことはなかった。複数機器が混在したからこうなるのか高速回線に対応できなくなったのかはよくわからない。ルーターにもメモリ限界がありあまり多くのトラフィックをさばこうとすると性能低下が起こるようである。

こうなるとNECのLAN親機をリスタートさせてAirMac Expressもリスタートさせなければならない。これを自動で行うスクリプトを組もうかなと考えたあたりで「やっぱりアダプタを買おう」ということになった。

結局、この最初のAirMac Expressは排熱処理に問題があるようでしばらく使っているうちに使えなくなってしまった。

この文章を書いて数年後にAirMac Expressを3タイプ(802.11g, 802.11n第一世代、802.11n第二世代)を買ってきて試したのだが802.11gはやはりしばらくしていると行方不明になってしまう。つまりあまり安定性の良いシステムではないのである。スピーカー共有で使うには便利なソリューションだがネットワーク共有機器として使うのはあまりお勧めできない。ただ現在買ってきた3タイプのうち、802.11n第一世代と802.11n第二世代がどれくらい安定して使えるものなのかは試してみたいと考えている。ネットワーク機器としては利用せずスピーカー共有のためだけに使えばしばらくは持ってくれるのではないかと思う。

NECのルーターをブリッジにしてつないでみた。
これもあまり安定しない。

四番目のやり方:結局専用の機器を買ったほうがいいのではないか?

最終的には無線LANアダプタがついているBuffaloルーターのセットを買ってきた。ハードオフで1000円だった。ボタンを一発押せばリンクしてくれる。とても便利である。

BUFFALOの無線アダプタのセット

さらにBuffaloルーターをブリッジモードにしておくとセグメント化も起こらないので、すべてのマシン同しで接続もできる。さらに余ったSSDドライブをBuffaloルーターにつけることでNASとしても機能する。Windowsとのファイル共有に便利だ。

本来ならMacとWindowsはファイル共有が容易なはずである。だが実際にやって見ると相手が見えなかったり、いったん見えていたのに消えてしまうということがある。結局こうした試行錯誤はGoogle Driveが出てきたあたりで「クラウドで連携させればいいや」ということになった。

この解決方法が一番スマートだったが、このソリューションにも難点がある。Buffaloルーターの親子機セットは同一メーカーでなければうまく機能してくれない。さらに同じメーカーであっても組み合わせによって動かなかったりするようだ。いわゆる相性問題だ。さらに、PowerMacG4をあまり使わなくなったためアダプターの出番がなくなった。

いずれににせよ、Buffaloで揃えるならBuffaloで揃えたほうがいい。AirMac Expressだと一台でアダプター機能とスピーカー共有をやってくれるのだが802.11gと呼ばれる第一世代は避けたほうがいい。ハードオフの青箱に時々入っているが、きちんと型式を見て確認したほうがいいだろう。

スピーカーシステムとして使うなら発熱に弱く壊れやすいAirMac Expressよりも旧式のAppleTVの方が安定して使えるかもしれない。キャパシティに余裕がある上にネットワークの面倒は見なくていいので長期安定して動いている。スピーカーシステムを使わないときには勝手にスリープしてくれるのだ。

Appleの無線機器はあまり安定性が高くなかったので2018年についに打ち切りが決まった。この文章を最初に書いたのは2017年なのだが、結局Appleは技術的問題を自社で解決できなかったようだ。

ストレスを減らしたいなら同じメーカーで揃えた方が良いというのが結論になる。

作者について

Macを使って、写真撮影・管理、レタッチと加工、MIDI楽器を使った作曲、YouTubeに使う動画の撮影と編集などがやりたかった。お金がないので「古いMacを使ってどうにかしよう」とヤフオクなどを漁り始めた。

だんだんガジェットMacを物色すること自体が楽しくなり、家に使いもしない古いMacBookなどが溜まりつつある。MacBookだけで、MacBook Late 2007, MacBook Early 2008, Late 2008, EarlyかMid 2009, MacBook Air 2010がある。どれも古いものばかり。

時々短いiMovieで加工したYouTubeビデオなどを上げているが、まだ編集の仕方がよくわかっていない。