古いMacBookのOSインストールに失敗したら……

YouTubeを見ていると「古いMacBookのOSインストールにトラブった」とか「うまくゆかなかった」というビデオをよく目にする。失敗の理由はApple社がOSの配布方法を度々変えているからである。「必ず最新情報を見て欲しい」と言いたのだが何が最新なのかがよくわからない。

古参のAppleケアスタッフに当たれば対応方法を教えてくれるのだがソツがないだけで知識があやふやという人が増えている。こういう人に当たると最悪だ。

さらにAppleが公式に準備しているリカバリー方式でもエラーが出る。

コマンド(⌘)+Rで復元してはいけないのである。

だからひどい場合には「古いMacを引っ張り出してきたがOSが壊れていて使えない」し「リカバリーモードで復旧しようとしたがそれもできない」から使えなくなったという人がいる。これは誤解である。

まず最初にやること

まず最初にやるのはハードディスクのセットアップである。コマンド(⌘)+Rでリカバリーモードに入るのでMacOS拡張ジャーナリングでフォーマットして、GUIDパーティションマップでパーティションを作成しておく。

OSが起動しなくなった場合にはできればやっておいたほうがいい。Macユーザーには当たり前に浸透している知識なのであえて書かれていないことがあるのだがここでつまづいている人も少なからずいる。

次にインストーラーを作る

これが終わったら一旦Macを終了する。次にやるのはインストーラ作りである。まずBig Sur(つまり最新OS)まで対応したマシンと外付けのハードディスクやUSBメモリを用意する。次にmacOS の起動可能なインストーラを作成する方法を読んでその通りの作業を実行する。するとEl CapitanからBig Surまでのインストーラーを作ることができる。

次にターゲットになっているMacを起動する。キーボードのOptionを押したまま起動するとインストーラーを選択する画面が現れるので先ほど作ったインストーラーを起動する。

Lionは少し特殊である。Lion(10.7)を入れるためにはLionでブート可能なハードディスクを作る必要がある。つまりLionのシステムが必要なのだ。

機種ごとのやり方

A1181(2006年〜2008年までのモデル)

A1181という白いポリカーボネートのモデルのうちCore 2 Duoを使ったバージョンは10.7.5までアップデートできる。インストラーはApple公式サイトで無料ダウンロードができる。このインストーラーを開けばインストールが可能である。ところがこれはアップデータなのでOS 10.6以降のOSがインストールされていなければ使えない。「初めて買ったMacがジャンクでOSが入っていませんでした」という人はこのやり方が使えないためまずはLionが起動できるモデルを準備しなければならない。

さらにインストラーは自分自身を起動させることができない。このため起動可能なディスクを作ってそこにLionを入れてやる必要がある。Leopard(10.5)が入ったMacBookから起動して見たが「インストーラーが壊れている」という表示が出た。

High Sierraからインストラーを立ち上げて見た。インストーラーは立ち上がったがダウングレードはできないはずなので、結局Snow LeopardかLionが入っているディスクを準備しなければならないことになる。

A1181(2009年モデル)

この年式だけEl Capitanにまでアップグレードできる。El Capitan以降「インストールディスク」が作れるようになった。つまりUSBにインストーラーをダウンロードしてからターミナルでコマンドを入力すればMacOSがなくてもMacに新しいOSがインストールができる。

やり方は公式サイトに書いてある。

ターミナルを使うのが怖いという人もいると思うのだがやり方自体は意外と簡単である。

いったんEl Capitanがインストールされている場合はリカバリー領域が作られているようなのでコマンド(⌘)+Rでリカバリーしてもうまく再インストールすることができるように思える。だが実際にやってみると「インストールできるパッケージがありません」と言われる。以前はこのやり方を試そうとして失敗し、別のやり方も模索したが全部うまくゆかなかった。

ここでつまづいている人が多いのだ。

問題を解決しようとして情報を探せば探すほど沼にハマることになる。古いインストーラーも配布され続けている上にリカバリーについての古い記事も情報も残っているからだ。皮肉なことだがこのやり方をすると「証明書の期限が切れている」とか「ダウンロードできる情報がない」などのエラーに遭遇する。

唯一の正解は正解はコマンド(⌘)+Rでディスクを初期化したのちに別に作った起動ディスクを使って最初からインストールをやり直すことである。

A1272(2008年モデル)

このモデルもEl Capitanまであげることができる。すでに一度セットアップがすんでいるならコマンド(⌘)+Rでインストールをやり直すのが早いように思うのだがそれをやると失敗するというのは同じことである。

だからコマンド(⌘)+Rでディスクのセットアップだけをやり直してから別に作った起動ディスクで最初からインストールをやり直したほうが早い。

OS10.5はDVD配布なのでこれを使ってOS10.5を入れてやるという方法はある。だがこれは別の理由で上手くゆかない場合が多い。経年劣化したApple純正のDVDドライブはまともに動かない可能性が非常に高い。外付けで試せば上手くゆくかもしれないがこれもエラーを起こす場合がある。

MacBook Air A1379(2010年モデル)

このバージョンはHigh Sierraまでインストールできる。すでにHigh Sierraがインストールされている場合はすんなりリカバーができると思うのだがEl Capitanでも上手くゆかないのだからおそらくコマンド(⌘)+Rでディスクのセットアップやってから別に作ったインストラーを使ったほうが早いものと思われる。

それ以降のOSのインストールも基本的に同じやり方ができる。

Big Surが動くMacがあればインストラーが作れる

Big Surの動作するMacが一台あるのなら、El Capitan・High Sierra・Big Surのインストーラーが作れる(つまりインストラーは下位互換だ)ので一揃い作っておくと後の作業が楽である。例えばSierraが動くMacは必ずHigh Sierraが動作する。MojaveとCatalinaが動くMacはBig Surが動く。だから今の所は3つだけのインストーラーを準備しておけば用は足りることになる。だいたい1OSあたり5GBの容量が必要なので8GB程度のUSBを3本買うか40GB程度の外付けHDDをひとつ潰してインストーラーにしておくと便利だと思う。

作者について

Macを使って、写真撮影・管理、レタッチと加工、MIDI楽器を使った作曲、YouTubeに使う動画の撮影と編集などがやりたかった。お金がないので「古いMacを使ってどうにかしよう」とヤフオクなどを漁り始めた。

だんだんガジェットMacを物色すること自体が楽しくなり、家に使いもしない古いMacBookなどが溜まりつつある。MacBookだけで、MacBook Late 2007, MacBook Early 2008, Late 2008, EarlyかMid 2009, MacBook Air 2010がある。どれも古いものばかり。

時々短いiMovieで加工したYouTubeビデオなどを上げているが、まだ編集の仕方がよくわかっていない。


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