古いサポート外のMacBook A1181にChrome OS Flexを入れてみる

Chrome OS Flexが正式にリリースされた。現役ではなくなった古いパソコンにChrome OSを入れることができるというものである。古いMacにも利用できる!と思ったのだが正式サポートされているMacBookはどれも最近のものなので全く古い感じがしない。ちなみに動作保証がついているMacBookはMacBook 7,1以上であり2023年までサポートされるそうだ。

現在(2024/1/27)確認したところ最新バージョンは120だ。

がっかりしたのだが検索するとA1181にChrome OS Flexを入れている人がいた。どうも動くようだ。古いMacBookは捨ててもいいくらいたくさん持っているので「ダメにしてもいいや」くらいの気持ちでいれてみた。MacBook 2007だ。結論から言うと動いた。

この記事を最初に書いたのは2022年だった。最初はトラブルがなかったのだが、久々に記事を更新しようとしたところDHCPサーバーが見つからないというエラーが出た。IPアドレスをして乗り切ったのだが今度はアップデートの後に不意に再起動しなくなった。電池を抜いて再起動すると最新バージョン(この時には120)になったのだが、この辺りはさすがに「サポートのない機種だなあ」と感じた。古くてもう捨てるすかないという機種をChromeOS Flexで使う分にはいいが「これしかない」というような使い方はしない方が良ささそうだ。デュアルブートはできないと考えた方がいいが予備のHDDを作るなどしていつでもMacOSに復帰できるようにしておいた方がいい。

インストールするためには8GB以上のUSBメモリにインストーラーをダウンロードする。この時にChromemの拡張機能を使うと言うちょっと癖のあるやり方になっている。やり方はGoogleの公式ページに書いてある。

インストールはめちゃくちゃ簡単

一応この時にUSBから起動することができるようになっているので、しばらくそれで試した方がいい。だが今回は「壊れてもいいや」というMacBookだったため、そのままインストールしてみた。インストール作業自体は20分くらいで終わる。

できることは限られている。

Chrome上でできることはすべてできる。つまりYouTubeなんかは見ることができる。HD画質程度であれば問題はないと思うが、若干カクつくかな?と言うくらいの遅延を感じることもあった。またGMailを読むこともできる。ただ実用的に使えるだろうなあと言うのはこれくらいである。おそらくスプレッドシートなんかも使おうと思えば使えるのだろうがあえてこれを使ってやろうという気分にはならない気がする。

「普通にウェブが見れる」がスゴいわけ

普通にウェブが見れるだけがすごいのには理由がある。MacBook A1181の多くの機種はLeopardやLionしか対応していないのだがセキュリティの関係でウェブもメールも使えないと思った方がいい。またA1181の2009年モデルはEl CapitanまであげることができるのだがMacOSのSSLの関係で一部のWebサイトにセキュアなコネクション接続できない。

今回は16GBのドライブを使ったが8GBで十分なんだそうだ

このブログの一番の人気コンテンツは古いOSで使えるブラウザーなのだが、古いOSで使えるブラウザー選びに苦労している人は多いようだ。だが、Chrome OS Flexを使うと、これが普通に使えてしまうのである。もう、捨ててもいいMacBookだけどせめてYouTubeがみたいとかWebが閲覧したいと言うような人にはもってこいのOSといえるだろう。

やはり問題点はある

だがやはり問題はある。

まず日本語キーボードが認識されなかった。このためコマンドキー+スペースキーという組み合わせを使う。だが、ChromeOSはキーボードがMacだということも認識してくれないためヘルプにはすべてctrl+スペースと書かれている。これがわからないと「日本語さえ入力ができない」と考える人が出てくるかもしれない。これは結構ストレスなのではないかと思う。

次に当たり前なのだがMacの生態系(つまりiCloudのことだ)からは完全排除される。他のMacと写真や音楽の共有はできなくなる。個人的にはEl CapitanやHigh Sierraが動くようなハードウェアにあえて入れる気にはなれない。

内部のHDDの空き容量などが一切わからなくなる。これはネットワーク対応を前提としているからだ。一応GoogleDriveですべてのMacと同期が取れるはずなのだが、急いでいる時に限ってMac版のGoogle Driveが使えなくなるというようなことが意外とある。

最後に内蔵マイクが認識されていない気がする。このためUSBマイクを持ってきて(なんでも捨てずに取っておくべきだなあと思った)OK Googleをやってみた。ただしデバイスマネージャみたいなものがあるわけではないので何が機能していて何が機能していないのかなどを確認する手段がない。

さらに画面のキャリブレーションができなくなる。今回使ったMacBookは液晶が少し黄ばんでいるのだが長い間使っていると意外とストレスになる。

さらにトラックパッドが使いにくい。USBマウスは必須と考えた方がいい。

一方でBluetoothスピーカー(Logicool Z600)の接続はきちんとできた。

ということで技術的にあまり詳しくない人が一台しか持っていないマシンにこのChrome OSを入れるというようなことはしない方がいいと思う。技術に詳しい人がある程度サポートした上でセットアップするというようなOSだ。

当然業務で使うアプリケーションはChromeで動くようなものに限った方がいい。おそらくChrome OSを企業向けに広げるためにGoogleが開発したというようなOSなのだろう。

ただし、きちんと動かせばネットワークへの対応を全く諦めていたMacBookを再び現役機として蘇らせることは可能である


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