Airmac ExpressとAppleTV:スピーカーの共有のためにはどちらを選ぶべきなのか?

現在、比較的古いMacを使って音楽環境の整備をやっている。ホームシアターシステムとサウンドバーをそれぞれ設置して、それをリモートスピーカーとして利用するという計画だ。この時に使える選択肢は2つある。古い世代のAppleTVを利用するという方法とAirmac Expressを利用するという方法である。一長一短があるので、それぞれ検討してゆきたい。

AppleTVは使わない時にはスリープしてくれるというメリットがある。AirMac Expressはもともと通信機器なので常時接続しておく必要がある。

最後にAirmac ExpressのEthernetポート(LANポート)について書く。それぞれ微妙に挙動が違っている。

AppleTV

AppleTVとスピーカーシステムを結びつけるのはHDMIケーブルと角形の光デジタルケーブルである。

AppleTV

AppleTVを使うメリット

AppleTVを使うメリットはなんといっても安定性である。システム的に安定していて「スピーカーが見つかりませんでした」ということがない。さらに発熱も比較的抑えられるようだ。また使わないときは自動でスリープしてくれるというのもメリットだ。つまり、壊れる可能性が少ない。

またSAFARIを使うと音だけでなく映像も配信することができる。つまりモニターシステムを作っておいてそこにYouTubeを流したりすることもできる。現在はYouTube対応テレビも出ているため、わざわざAppleTVを選択する人はいないと思う。だが、第二世代であれば1,000円から2,000円と安価で売られているので安くシステムを構築したいという人にはよい代替選択肢になるだろう。ただしリモートコントロールがないとつかものにならないので別途探してきた方がいい。ハードオフの青箱にたまに転がっている。

AppleTVを使うデメリット

AppleTVを使うデメリットはあまり見当たらない。強いて挙げるならばネットワーク機器ではないためにEithernetの拡張はできない。

AirMac Express

AirMac ExpressはWi-Fiルータとして発売されたがスピーカー共有もできる。ただし通信機器としての出来はあまり良くなかったようで、現在では新製品は出ていない。非Apple製品との相性がとにかく悪い。

AirMac Expressを使うメリット

AirMac Expressのメリットはなんと言っても「値段が安い」ことである。ハードオフのジャンク箱には500円くらいで転がっている。通信機器としては低速なので見向きもされないのだが「スピーカーをつなぐことができる」ということはあまり知られていないのかもしれない。

もう一つのメリットはEithernetポートが外向けに使えることである。つまり無線LANを持っていない古いMacの無線レシーバーとして使えるのだ。

AirMac Expressを使うデメリット

AirMac Expressのデメリットと注意点も実は多い。

まずバージョンが複数あり外見では区別がつかないという点である。今回は2つ買ってきたのだが1つはIEEE 802.11 gにしか対応していないものだった。もう一つはIEEE 802.11 n(第一世代)というものだ。前者は2.4ghz帯にしか対応しておらず、後者は5ghz帯にも対応している。前者はOS10.5/OS 10.6でしか設定ができない。後者はHigh Sierraなどでも設定が可能である。

次のデメリットは発熱である。無線機器なので使わないときにはスリープするというような機能がない。小さい筐体がかなり熱を持つためハードウェアの寿命が短いものと予想される。Appleがこの製品を作るのをやめてしまった理由の一つにはこの発熱問題もあるのかもしれない。100円均一でスイッチ付きの電源タップを買ってきてこまめにオンオフするようにすると問題は解決する。

今回買ってきた二つのうちIEEE 802.11 gにしか対応していないものは、20分くらいすると「ネットワークから消える」という現象が発生する。この場合、再起動しないとネットワークから見つからなくなってしまう。音楽を流しっぱなしにしていれば接続は維持されたままにできるのだが、音楽が途切れるといったん接続が切れる。すると見つからなくなり再接続ができなくなる。この機種固有の問題なのか、あるいはこのバージョン特有の問題なのかはよくわからない。

AirMac ExpressのバージョンによるEthernetポートの挙動の違い

802.11 g

このLANポートはブロードバンドルーターからの信号を受けるためのみに利用される。子機としても利用できるようだが親機はApple製品しか使えないため、実質利用できないと思った方が良さそうである。

この世代を設定するためにはMacOS 10.5かMacOS 10.6が動作するMacを持っている必要がある。ユーティリティは自動設定には対応していないため、自分で全て設定する必要がある。

802.11 n(第1世代)

既存のネットワークに参加させた場合、このEthernetを通じてMacBookをインターネットに接続することができた。つまりWAN/LANポートとして利用できるようだ。一応「Ethernet接続を許可する」という選択肢があるがデフォルトでオンになっている。ただ、IPアドレスを固定したりするとうまくゆかなかったりするのでDHCPサーバーから自動で情報をもらうようにしておいた方が成功率はたかそうだ。

つまりこの機種を持っていれば無線LANを持っていないMacのためのEthernetアダプタとして利用できる。

この世代からGUIを使って拡張方式が選べるようになっている。

802.11 n(第2世代)

この製品はAppleTVと同じような形状になっている。LANポートとWANポートが分かれている。実際に買ってきて試したところ、LAN/WANポート共にEithernetポートとして利用できるようだ。デフォルトに設定してWi-Fiを切って外部接続したところあっさりと有線接続ができた。発熱は第一世代よりも抑えられているように思える。


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