EF-S55-250mm f\4−5.6IS IIのオートフォーカス機能が壊れているのでは?と思ったという話

野鳥撮影のためにEF-S55-250mm f\4−5.6IS IIというレンズを購入した。ジャンクばかり買っているので破格の8900円という価格は清水の舞台から飛び降りたような気持ちだった。だがオートフォーカスが追従してくれない。故障したのか……と一瞬暗い気持ちになった。

マニュアルを冷静に読んだところ、設定であり仕様だった。

カギはCANON独自のオートフォーカスの仕様とわかりにくにメニュー表示にある。


  1. AF/AEロック:シャッターボタンを半押しするたびにAFを行う。そのまま全押しするとフォーカスがあった状態で写真が札駅できるということなのだろう*でAEが固定される。
  2. AEロック/AF:シャッターボタンがAEの固定に割り当てられる。AFが*に割り当てられる。つまり1とボタン設定が逆になる。
  3. AF/AEロック(AEロックなし):シャッターボタンを全押しすると写真が撮影できるわけだが「フォーカスしたくない」時があるだろうと配慮したようだ。*がシフトボタンのようになっていて「同時に押すとAFしない」という設定にできるそうだ。*がシフトボタンになっているのでAE固定ボタンの割り当てがない。だからAEが固定できない。
  4. AE/AF(AEロックなし):シャッターボタン半押しで測光する。オートフォーカスが*に割り当てられる。シャッターボタンを押すたびに露出が変わるのでAEが固定できない。

おそらく「動画を撮影しながら写真を撮る」行為が前提になっていて、AFしたくないシーンが出てくるはずだということになったのだろう。しかしボタンの数に限りがあるため設定によってはAEロックに割り当てられるボタンがなくなってしまったのだ。ちなみにどういうわけか4に設定してあったため「*を押してAF」するのが正解だったのだが全く気が付かなかった。

このため最初の撮影は手ぶれ補正は解消されたがフォーカスが合わない動画を量産することになってしまった。正解はメニューから「AF/AEロック」を選んで鳥を見つけたらシャッターボタンを半押しすることだったのだ。

マニュアルにはこの辺りの前提が全く書いていないため読んでも何のことだかわからなかった。もう一つ分かりにくい原因はこの時代のキャノンのカメラの限界にある。もともと野鳥動画の撮影のために使うことにしたのだがLUMIX GF2はそれなりにフォーカスを追従してくれる。さらにタッチパネルを押すとタッチパネルを押したところにフォーカスを合わせることもできる。

GF2のマニュアルには次のように出てくる。AFS/AFCが前提になっていて必要がない時にはこれをオフすることになっているのだ。

  • AFS/AFC:ピントを合わせ続けることができる。ピントが合いにくい時にはシャッターボタンを半押ししてピントを合わせる。

ちなみにCANONがこの追従機能を獲得するのが2012年のEOS Kiss X6iからだったようだ。X6の高級版という位置付けになっており「動画サーボAF」という機能名になっている。LUMIX GF2は2010年発売のカメラなので、CANONのフォーカス追従は元々高級機の機能であってPanasonicより遅れて実装されたことがわかる。

つまり最初に手にしたカメラがGF2だったため「オートフォーカスというのは動画撮影中であっても自動的になされるものだ」と思い込んでいたことになる。一瞬真剣にLUMIX向けにレンズを買い替えようかと思い詰めてしまった。マイクロフォーサースでレンズ内手ぶれ補正が効くレンズは15000円程度以上が相場になっているようである。

この辺りがジャンク遊びの面白いところだ。現在のEOS KissXシリーズの現行品はEOS Kiss X10EOS Kiss X10iだ。Amazonだとそれぞれ10万円程度で入手可能である。最初からこれを買ってしまうとフォーカス自動追従もレンズ内カメラ補正も当たり前ということになってしまう。現在のものは「STM」なので動画にAFの音が入ることもない。「標準ズームだからすぐに満足できなくなる」などとも言われているほど当たり前の品質である。ところがこうした機能は全く当たり前ではなく時間をかけて徐々に整備されてきたものだったのである。


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